エポキシ樹脂と季節
エポキシ樹脂についての備忘録。
物と物をくっつける。単純なようで単純な仕組みをまとめています。何かをつなげるときに参考にしてみてください。
エポキシ樹脂の特徴
機械的強度に優れている:破壊など物理的強度がある
耐熱性に優れている:市販のエポキシ系接着剤は100度前後であれば耐えられる
耐薬品性に優れている:塩酸にも比較的強いそうな、、、。
接着性に優れている:物と物を接合する力がある。
硬化収縮が小さい:分子同士の結合により、硬化剤によってはほとんど収縮しない
弱点
硬化時の温度が重要:化学反応系の硬化剤の為、反応させる時の温度管理が重要
接着面が重要:強力に接着する為面積、状態、が重要である。ある程度の表面処理が必要
混合系のエポキシ剤は配分が命:硬化剤、主剤の配分によって反応にばらつきがあり、成分として安定しない場合がある。
酸で劣化した接合部分を接着する際の注意
酸性系の洗剤などはプラスチック製品を傷める原因となります。
その断面は徐々に侵食され表面は劣化している可能性が非常に高い。
そこにエポキシ系の接着剤を使用すると、劣化面に対して十分な接着ができず、剥離する原因になることもあるそうです。
また、施工時期にも注意が必要で、気温の低い環境では
・常温で硬化するはずの接着剤が硬化しない
・薬剤が結晶化している
・完全に硬化するまでに時間がかかる
などのイレギュラーが発生します。
また一度接着を試みた面は樹脂が不安定な状態で存在している為際接着は厳しい状況になります。
もしそうなった場合には、表面を削り落とし、ある程度凹凸をつけた状態で接着し直す必要があります。
配分量に注意
基本的に市販のエポキシ系の接着剤は1:1で分子が安定するよう製造されています。
分量が変わると分子構造が安定せず、本来の硬度を得ることができません。
くれぐれもご注意を。
硬化時間
エポキシ系の接着剤、混合系のものは硬化時間が比較的ゆっくりで、常温であれば24時間もあれば硬化します。しかし、低温下では、硬化速度が低下します。
1液性のものだと、高温になると急速に硬化が始まります。逆に十分に温度上昇をしていない箇所では硬化せず、本来の強度を得られなくなる可能性があります。
材料の特性を十分に知った上で施工することが大切です。
物と物をくっつける時、何かをつなげるときには落ち着いて状況を判断し、
焦らずに取り組むことが大切です。
いますぐ完了させるべきものなのか、1時間、1日、1ヶ月十分に考えて行うべきなのか、頭の整理を十分にして取り組むことが最高の結果に繋がります。
年末に近づき判断能力が徐々に下がる季節ではありますが、気を引き締めて2019年を迎えていきたいものです。
今年の更新も数少なくなってきました。
どなたかSNSで共有してくれるとやる気が上がります。
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拙文